療術とは?

ナーボスコープ

警視庁令第43号(昭和5年11月29日):療術行為ニ関スル取締規則に次のような記述があります。 

「疾病ノ治療又ハ保健ノ目的ヲ以テ光、熱、機械器具ソノ他ノ物ヲ使用シ若ハ応用シ又ハ四肢ヲ運用シテ他人ニ施術ヲ為スヲ謂」。

このように療術はきちんと法律で規定されているものでした。

そして、ここからわかるように、療術とは物理的あるいは力学的エネルギーを用いて、病気の治療、健康の保持に役立てようとするもので、物理療法と呼ばれる分野に属する治療法なのです。

療術は、いつごろから行われていたのか?

療術の歴史

医学の歴史を見てみると、人類は数千年前から物理的あるいは力学的エネルギーを用いた療術行為を医療に応用していたようです。

その中に現在の療術の4種目 に含まれるカイロプラクティック(手技)療法、電気療法、光線療法、温熱・刺激療法の起こりを見ることができます。

このように療術は最も古い歴史を持つ治 療法なのです。

手技療法や焼灼法を推奨したギリシャの医聖、ヒポクラテス(460~370BC)、痛風の治療にシビレエイの発電力を用いたギリシャの医師エートスなどの記録も残っています。

また、中国の鍼灸の原典は紀元前220年に著された「黄帝内経」とされています。

半健康人とは?

「病気は人間の体が不具合になったこと」です。

しかし、ほとんどの人が、多かれ少なかれ“調子の悪いところ”を抱えています。

つまり、みな少しずつ病気を抱えて生きているのです。

赤痢に罹った人は入院して抗生物質を大量に投与することで完全に治癒するかもしれません。

しかし、高血圧症といった生活習慣病はほとんど完全に治癒するということはありません。

腰痛や肩こりで医者にいった方は、「年ですから(治療法はありません)」 とお医者さんに言われてショックを受けたことでしょう。

このように病気と同居しながら人生を生きている人たちを半健康人といいます。

療術と西洋医学とどこが違うのでしょうか?

西洋医学は17世紀に「病気」という概念を打ち立てました。

「病気」の考え方は、様々な症状をひとまとめにして「○○病」と名付けることから始まります。

そして、これらの症状の原因となっている臓器をみつけ、原因を除去しようとします。

つまり、患者さんという「人間」をとらえるのではなく、臓器レベル(時に遺伝子レベル)で異常を把握し、除去しようとするのが西洋医学です。

この手法は、「病気」を除去するのには大変有効な手法でしたし、その結果、西洋医学が世界制覇を遂げることにもなりました。しかし、「原因」が見つからないような場合には治療が困難です。

これに対し、療術は患者さんを全人的に理解しようとします。

 

つまり、原因は何であれ、苦しんでいる患者さんを少しでも楽にしてあげるというのが療術の 目的となります。

高齢社会の到来とともに、腰痛・肩こりといった原因のはっきりしない不定愁訴が増加していますが、療術はこのような患者さんに有効に対処していくことができるのです。

 つまり、西洋医学と療術は利用の仕方が異なっており、それぞれの得意分野があるといえるでしょう。